イベント案件台帳の作り方|必須項目11種と設計手順
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イベント案件台帳の作り方|必須項目11種と設計手順

2026年7月23日18分で読める

イベント案件台帳は、案件名・開催日・会場・クライアント・担当・ステータス・見積・実績・立替・請求・案件別粗利の11項目を案件単位で1行に並べれば、見積から粗利まで一元管理できます。逆に、この項目設計が甘いまま台帳を作り始めると、途中で列を足し続けて破綻し、担当者ごとに別ファイルへ分かれてしまいます。

イベント制作は、1案件のなかで見積・スタッフや機材の手配・実施・請求・粗利までを扱うため、汎用の顧客管理シートでは項目が足りません。会場や外部スタッフの立替、案件別の粗利まで1枚で追える台帳を最初に設計しておくことが、後々の作り直しを防ぐ近道です。

この記事では、イベント案件台帳の定義から、必須項目11種とその設計理由、作り方の4ステップ、そしてExcelの限界とシステム化の目安までを、前提知識なしで読み切れるようにまとめます。

イベント案件台帳とは|定義と最低限そろえる項目

イベント案件台帳とは、1件のイベント案件に関する基本情報・進行状況・収支を1行に集約し、複数の案件を横断して管理する一覧表のことです。案件を「行」、管理したい情報を「列」に置くのが基本構造です。

汎用の顧客リストと違うのは、見積から請求・案件別粗利までを同じ行で追える点にあります。ここが甘いと、収支を別ファイルで計算し直すことになり、締め後まで粗利が分からない状態に陥ります。

イベント案件台帳の定義と役割(結論)

案件台帳の役割は、案件情報の「置き場所」を1つに定め、誰が見ても同じ最新情報にたどり着ける状態をつくることです。担当者の頭の中やメールに散っていた情報を1行に集めることで、属人化と引き継ぎ事故を防げます。

役割を整理すると、(1)進行中の案件を一覧で俯瞰する、(2)スタッフや機材の重複手配を避ける手がかりにする、(3)案件ごとの収支を追う、の3つに集約できます。台帳はこの3役割を満たす項目でそろえます。

まず押さえる必須項目の全体像

最低限そろえたい項目は、大きく「基本情報」「進行情報」「収支情報」の3グループに分かれます。基本情報で案件を特定し、進行情報で今どの段階かを示し、収支情報で利益まで追う、という設計です。

この3グループを1行に並べると、案件を開いた瞬間に「いつ・どこで・誰の案件が・今どの段階で・いくらの利益か」が分かります。次章で、この11項目を1つずつ理由とともに見ていきます。

案件台帳に必須の設計項目11種とその理由

イベント案件台帳に必須の設計項目は、基本情報5項目・進行情報1項目・収支情報5項目の合計11項目です。下表は、各項目が要る目的と主な更新タイミングを整理したもので、イベントHUBの案件台帳・案件別粗利機能の項目設計に基づく独自整理です。

fig1:必須設計項目11種テーブル(項目名/目的/主な更新タイミング)
fig1:必須設計項目11種テーブル(項目名/目的/主な更新タイミング)
項目その項目が要る目的主な更新タイミング
案件名案件を一意に特定する受注・引合時
開催日手配・進行の締切基準にする受注時・変更時
会場搬入条件・機材手配の前提を持つ会場確定時
クライアント請求先・リピート状況を紐づける引合時
担当責任の所在を明確化する割当時
ステータス今どの段階かを可視化する段階が進むたび
見積受注時の想定収支を持つ見積提出時
実績(原価)実際にかかった原価を集約する実施後
立替費用現場立替の回収漏れを防ぐ立替発生時
請求額請求漏れ・入金を追う請求時
案件別粗利案件単位の利益を把握する実績確定時

案件基本情報(案件名・開催日・会場・クライアント・担当)

基本情報の5項目は、案件を特定し、手配と請求の前提をそろえるための土台です。とくに会場は、搬入経路や電源容量など機材手配の条件に直結するため、住所だけでなく搬入条件をメモできる欄を用意すると実務で効きます。

クライアントと担当は、リピート受注や引き継ぎのために欠かせません。クライアント情報を台帳と結びつける具体的な方法は、イベントのクライアント管理|台帳で顧客情報を資産化しリピート受注もあわせて確認すると設計しやすくなります。

進行情報(ステータス)で今どの案件が動いているか可視化

ステータスは、案件が「見積中→受注→実施→請求済→完了」のどの段階にあるかを示す1項目です。これがあるだけで、対応漏れや二重対応、請求漏れを一覧で発見できるようになります。

ステータスの区分や運用の詳しい設計は、案件ステータスで進行管理する方法で扱っています。台帳では、まず自社の業務に合う段階名を5つ前後に絞って決めるのがコツです。

収支情報(見積・実績・立替・請求・案件別粗利)を案件単位で並べる

収支情報の5項目は、案件別の利益を締めを待たずに追うための中核です。見積・実績原価・立替・請求額を同じ行に並べ、最後に案件別粗利を置くと、赤字傾向の案件を早期に察知できます。

fig4:収支計算の流れ(見積→実績原価→立替→請求額→案件別粗利)の1行モデル
fig4:収支計算の流れ(見積→実績原価→立替→請求額→案件別粗利)の1行モデル

粗利をExcelの数式で組む場合は、税率の扱いや立替の二重計上に注意が必要です。案件別粗利の考え方は「請求額から実績原価と立替を差し引く」が基本で、複数案件を横断する集計はシステム化した方が誤りを防げます。

イベント案件台帳の作り方4ステップ

イベント案件台帳は、項目設計・シート分割・入力ルール・粗利連携の4ステップで作ると、途中で破綻しにくくなります。いきなり全項目を詰め込まず、土台から順に組み上げるのが要点です。

fig3:案件台帳の作り方4ステップのフロー(項目設計→入力ルール→運用→粗利連携)
fig3:案件台帳の作り方4ステップのフロー(項目設計→入力ルール→運用→粗利連携)

ステップ1〜2:項目設計とシート分割(台帳・スタッフ・機材)

まず前章の11項目を列として設計します(ステップ1)。次に、案件台帳・スタッフマスタ・機材マスタの3シートに分け、案件台帳から手配情報を参照する形にします(ステップ2)。

fig2:台帳のシート分割イメージ(案件台帳・スタッフマスタ・機材マスタの関係図)
fig2:台帳のシート分割イメージ(案件台帳・スタッフマスタ・機材マスタの関係図)

シートを分けるのは、スタッフや機材の空き状況を案件横断で確認できるようにするためです。1枚のシートに全部を詰め込むと、繁忙期に更新が追いつかなくなります。

ステップ3:入力ルールと更新タイミングを決める

台帳は、入力ルールを決めないと表記揺れで検索・集計ができなくなります。日付の書式、ステータスの選択肢、金額の税抜・税込の統一を先に決めておきます。

あわせて、各項目を「いつ更新するか」を運用ルールにします。前掲の更新タイミング表をそのまま運用ルールに落とすと、記入漏れが減ります。

ステップ4:見積から案件別粗利までを1行でつなぐ

最後に、見積・実績原価・立替・請求額を同じ行に集め、案件別粗利まで1行でつなぎます。これで、案件を開けば収支まで一目で分かる台帳になります。

Excelでも数式でつなげますが、案件数が増えると数式の破損や集計ミスが起きやすくなります。手配や請求と台帳を連動させたい段階になったら、システム化を検討するサインです。

Excel台帳の限界と案件管理システムへの移行目安

Excel台帳は少人数・少数案件では有効ですが、同時進行案件が増えると、ダブルブッキング・進捗共有・粗利集計の3場面で限界を迎えます。限界のサインが出たら、イベント制作向けの案件管理システムへの移行が選択肢になります。

fig5:Excel台帳が破綻する3場面と案件管理システム化の対比(ダブルブッキング・進捗共有・粗利集計)
fig5:Excel台帳が破綻する3場面と案件管理システム化の対比(ダブルブッキング・進捗共有・粗利集計)

Excel台帳が破綻し始める3つの場面

第1はダブルブッキングです。スタッフや機材の空き状況を全社で串刺し確認できず、同じ人員を二重に手配してしまいます。第2は進捗共有で、担当者ごとにファイルが分かれ、最新版が分からなくなります。

第3は粗利集計です。見積・実績・立替が別ファイルだと、締め後に手計算するしかなく、赤字案件の察知が遅れます。この3場面が恒常的に起きるなら、運用の工夫ではなく仕組みの見直しが必要です。Excel運用の限界の全体像は、Excel管理の限界と乗り換えサインで詳しく整理しています。

案件管理システムへ移行を検討する目安

移行の目安は、同時進行案件が増え、ダブルブッキングと粗利集計に手間取り始めたタイミングです。台帳・手配・見積請求を1つの案件に紐づけて扱えるかが、システム選定の判断軸になります。

イベントHUBは、案件を軸に案件台帳・スタッフや機材の空き状況・見積/請求PDF(インボイス対応)・案件別粗利までを1本で管理するイベント制作向けのSaaSです。料金は初期費用30,000円(税込)・月2,980円/名(税込・6名以降、1〜5名は4,980円/名・税込)で、課金は管理シート数のみのため外部スタッフは定額で登録できます。イベント案件管理の全体像は、イベント案件管理システムとは(概念と全体像)もあわせてご覧ください。料金・機能の詳細や無料での製品体験は、お問い合わせからご案内しています。

よくある質問

Q. イベント案件台帳に最低限必要な項目は?

A. 案件名・開催日・会場・クライアント・担当・ステータス・見積・実績・立替・請求・案件別粗利の11項目が基本です。案件単位で収支まで追える構成にします。

Q. 案件台帳はExcelとスプレッドシートどちらがよい?

A. 少人数の同時編集ならクラウド型スプレッドシートが有利です。ただし案件数増加やダブルブッキング検知が必要になれば専用システムが向きます。

Q. インボイス制度に対応した請求管理は台帳でできますか?

A. 登録番号や税率別区分記載など適格請求書の要件を満たせば可能ですが、手計算は誤りやすく請求書自動生成の仕組み化が安全です(出典:国税庁インボイス制度)。

Q. 案件別粗利は台帳でどう計算しますか?

A. 案件ごとに見積・実績原価・立替費用・請求額を並べ、請求額から実績原価と立替を差し引いて算出します。案件単位で1行に並べるのが要点です。

Q. 台帳をシステム化する目安は?

A. 同時進行案件が増え、スタッフや機材のダブルブッキングと粗利集計に手間取り始めた時が目安です。Excel運用の限界サインが判断材料になります。

まとめ

イベント案件台帳は、基本情報5項目・進行情報1項目・収支情報5項目の合計11項目を、案件単位で1行に並べるのが基本設計です。項目設計・シート分割・入力ルール・粗利連携の4ステップで作れば、見積から案件別粗利までを1枚で追える台帳になります。

Excel台帳がダブルブッキング・進捗共有・粗利集計の3場面で恒常的に限界を迎えたら、案件・手配・請求を1つの案件に紐づけて扱えるシステムへの移行を検討するタイミングです。まずは11項目の台帳を整えることから始めてみてください。

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