
イベント進行管理・案件ステータス管理の方法|見積中〜請求済を可視化
「見積を出したまま追わずに失注していた」「実施は終わったのに請求書を出し忘れていた」——イベント制作の現場で起きるこうした事故の多くは、案件のステータスが可視化されていないことが原因です。展示会・式典・プロモーション・セミナーといった案件は引き合いから請求完了までの期間が長く、同時並行で動く案件も多いため、「いま各案件がどの段階にあるのか」が見えにくくなりがちだからです。
ここで言う進行管理は、当日の香盤表(タイムテーブル)による進行とは別物です。本記事では、受注前後を含む「案件ステータス管理」を当日進行と切り分けて定義し、ステータスが見えないことで起きる事故を構造的に整理します。
そのうえで、Excel・汎用ツール・専用システムという実装方法を比較し、案件カレンダーでチーム全体が状況を共有する仕組みまで、自己完結で解説します。Excelでの色分け管理が限界に近づいてきた制作・管理部門の担当者の方に向けた内容です。
結論:進行管理・ステータス管理とは
イベントの進行管理(案件ステータス管理)とは、各案件が「見積中→受注→実施→請求済→完了」のどの段階にあるかをステータスで可視化し、対応漏れ・請求漏れ・二重対応を防ぐ管理の仕組みです。
当日の香盤表による進行とは目的が異なり、受注前後を含む案件全体のライフサイクルを俯瞰する点が特徴です。まずステータスの定義と、当日進行管理との違いを整理します。
案件ステータスの定義(見積中→請求済→完了)
案件ステータスとは、1つのイベント案件が現在どの工程にあるかを表す区分です。標準的には次の5段階で整理できます。

| ステータス | 状態の意味 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 見積中 | 引き合い・見積提出済みで返答待ち | 見積作成・フォロー |
| 受注 | 発注が確定し準備に着手 | スタッフ・機材手配 |
| 実施 | 当日運営の進行・稼働中 | 現場進行・実績入力 |
| 請求済 | 実施完了し請求書を発行済み | 入金確認 |
| 完了 | 入金まで終わりクローズ | 振り返り・粗利確定 |
各案件をこの軸に乗せることで、「いま何件が見積中で、何件が請求待ちか」を一目で把握できます。ステータスを明文化しておくと担当者ごとの認識のズレも減ります。
当日進行管理と案件ステータス管理の違い
混同されやすいのが、当日の進行管理(香盤表)と案件ステータス管理です。両者は管理する時間軸も目的も異なります。

| 観点 | 当日進行管理(香盤表) | 案件ステータス管理 |
|---|---|---|
| 時間軸 | イベント当日の数時間 | 引き合い〜入金までの数週間〜数か月 |
| 目的 | 本番の進行を秒単位で回す | 案件全体の段階と漏れを管理 |
| 対象 | 1イベントの進行台本 | 複数案件のライフサイクル |
| 主な利用者 | 当日の現場スタッフ | 制作・管理部門・経営層 |
本記事が扱うのは後者の案件ステータス管理です。香盤表は当日の進行を支える台本であり、案件ステータス管理は受注前から請求後までを俯瞰する仕組みだと整理すると、対応範囲の違いが明確になります。案件全体の流れはイベント制作の案件管理システムとは|見積〜請求を一気通貫で管理する方法【2026年版】もあわせて参考にしてください。
ステータスが見えないと起きる問題
案件ステータスが可視化されていないと、請求漏れ・対応漏れ・二重対応という3つの事故が起きやすくなります。
これらは個人のミスというより、状態が見えない仕組みそのものに起因する構造的な問題です。経営層が受注見込みを把握できない弊害も含めて整理します。
請求漏れ・対応漏れ・二重対応のリスク
ステータスが共有されていない現場では、次のような事故が締め日を過ぎてから発覚しがちです。

| 事故 | 起きる原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 請求漏れ | 実施後「請求済」への更新が抜ける | 売上計上漏れ・入金遅延 |
| 対応漏れ | 見積中のまま誰も追わず放置 | 失注・信用低下 |
| 二重対応 | 担当が不明で複数人が同じ案件に着手 | 工数の重複・連絡の食い違い |
いずれも、案件が今どの段階で誰の担当かが見えれば防げる事故です。ステータスを更新する習慣と、それを全員が見られる一覧があるだけでも、締め後に気づいて手遅れになる事態を減らせます。属人化との関係はイベント制作の属人化を解消する方法|案件のブラックボックス化リスクと対策で詳しく扱っています。
制作会社の業務フローを整理すると、ステータス更新が止まりやすい工程と、漏れが発覚するタイミングには次の傾向があります(一般的な月次締め運用を前提とした定性整理で、発覚時期は締めサイクルにより前後します)。
| 止まりやすい工程 | よくある原因 | 漏れが発覚しやすいタイミング |
|---|---|---|
| 見積中のまま放置 | 提出後のフォロー担当が不明確 | 失注後・四半期の受注集計時 |
| 実施後に請求済へ未更新 | 当日運営の繁忙で事務処理が後回し | 月次の売上締め後 |
| 完了(入金)の未更新 | 入金確認の担当が分散 | 未収金の棚卸し時 |
この整理が示すのは、漏れの多くが「締めや棚卸しの段階で初めて気づく」点です。逆に言えば、ステータスを日々更新して全員が見られる状態にしておくほど、締めを待たずに気づける確率が上がります。
経営層が受注見込みを把握できない
ステータス不可視の影響は現場だけにとどまりません。経営層が「いま見積中の案件がいくらあり、どれだけ受注しそうか」を把握できなくなります。
見積中の案件金額が見えなければ、来月の売上見込みや人員計画の精度が落ちます。受注済みだが未実施の案件が積み上がっていることに気づかず、手配のキャパシティを超えて受注してしまうこともあります。案件ステータスを一覧化しておくと、段階ごとの件数と金額が集計でき、経営判断の材料になります。
ステータス管理の実装方法
案件ステータス管理は、Excel・汎用ツール・専用システムのいずれでも実装できます。案件数と更新頻度、共有人数に応じて選ぶのが基本です。
ここでは3つの実装方法を比較し、案件カレンダーでの俯瞰、スタッフ・機材の空き状況との重ね合わせまで、具体的な進め方を示します。
Excel・汎用ツールの比較
それぞれの実装方法には対応できる範囲の違いがあります。中立的に整理すると次のようになります。

| 実装方法 | 向く規模 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Excel | 少数案件 | 無料・自由度が高い | 同時更新に弱く更新漏れが起きやすい |
| 汎用ツール(カンバン等) | 中規模 | 状態の可視化が得意 | 見積・請求・手配は別管理になりやすい |
| 専用システム | 中〜大規模 | 案件情報を一元管理 | 導入・運用の設計が必要 |
Excelは色分けでステータスを代用できますが、複数人が同時に更新するとリアルタイム性が損なわれます。汎用ツールはステータスの見える化に強い一方、見積・手配・請求といったイベント特有の業務とは別管理になりがちです。専用システムは案件情報とステータスを同じ場所で扱える点が、対応範囲の違いになります。
案件カレンダーで全体を俯瞰する
案件数が増えるほど、一覧表だけでなくカレンダーでの可視化が有効になります。実施日とステータスを時系列で並べると、繁忙期の集中や請求待ちの滞留が直感的に見えます。
案件カレンダーでは、各案件を実施日に配置し、ステータスを色や区分で表示します。これにより「来週は実施が3件集中している」「先月実施した案件のうち2件が請求済になっていない」といった状況を俯瞰できます。一覧の文字情報だけでは見落としがちな時間的な偏りを、視覚的に捉えられるのが利点です。
スタッフ・機材の空き状況と重ねる
案件カレンダーの価値は、スタッフや機材の空き状況と重ねたときにさらに高まります。受注ステータスの案件に対して、必要な人員と機材が確保できているかを同じ画面で確認できるためです。

実施日が近い受注案件に対し、スタッフや機材が他案件と重複していないかを重ねて見れば、手配漏れやダブルブッキングを未然に防ぎやすくなります。ステータス管理と手配管理を別々のツールで行うと、この突き合わせが手作業になり抜け漏れの温床になります。案件ステータスとリソースの空き状況を同じ仕組みで扱うことが、運営事故を減らす近道です。
イベントHUBでステータスを可視化する
イベントHUBは、案件を軸に見積→手配→実施→請求→粗利を1本で管理するクラウドサービスです。案件台帳と案件カレンダーで、ステータスをチーム全体に共有できます。
ステータスの可視化が請求漏れ防止にどうつながるかを、機能に沿って説明します。
案件台帳とカレンダーでチーム共有
イベントHUBの案件台帳では、クライアント・会場・見積・手配・実績といった情報を1つの案件にひも付けて管理し、ステータスはカスタム項目として設定できます。担当者間でリアルタイムに共有されるため、Excelのような更新の取り合いが起きません。
案件カレンダーでは各案件を実施日に並べて時系列で俯瞰でき、案件台帳ではカスタム項目で設定したステータスを一覧できます。スタッフマスタや機材マスタの空き状況と重ねれば、ダブルブッキング検知の警告とあわせて手配漏れの確認も同じ画面で行えます。案件全体の流れを1か所で見られることが、対応漏れや二重対応を防ぐ土台になります。
ステータス管理から請求漏れを防ぐ
請求漏れの多くは、実施後にステータス更新が止まり、請求待ちの案件が埋もれることで起きます。イベントHUBでは実施が終わった案件を案件台帳とカレンダー上で把握でき、請求書PDF(インボイス対応)の発行まで同じ仕組みでつながります。
実施から請求までを別管理にせず1本の案件として扱うため、「実施済みなのに請求済になっていない案件」を見つけやすくなります。さらに案件別の粗利や月次売上集計、会計ソフト向けのCSV出力も用意しているため、ステータス管理を起点に売上計上の漏れを減らせます。料金は管理シート数に応じた月額制で、外部スタッフは無制限の定額です。14日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)から試せます。
よくある質問
Q. イベントの進行管理とは何ですか?
A. イベントの進行管理とは、各案件が「見積中→受注→実施→請求済→完了」のどの段階にあるかをステータスで可視化し、対応漏れや遅延を防ぐ管理です。香盤表など当日進行とは別に、受注前後を含む案件全体のステータス管理を指す場合が多くあります。
Q. 案件のステータスはどう管理すればいいですか?
A. 案件ごとにステータス(見積中・受注・実施・請求済等)を設定し、一覧やカレンダーで全体を俯瞰します。Excelでも色分けで代用できますが、担当者間でリアルタイム共有するには案件管理システムでステータスを一元化する方が更新漏れを防げます。
Q. 進捗が見えないと何が問題になりますか?
A. ステータスが見えないと、請求済みかどうか分からず請求漏れが起きる、誰が対応中か不明で二重対応や放置が起きる、経営層が受注見込みを把握できないといった問題が生じます。締め後に気づくと手遅れになりやすいのが運営上のリスクです。
Q. 案件カレンダーやガントチャートは必要ですか?
A. ガントチャートまでは必須ではなく、案件カレンダーで実施日とステータスを時系列に並べれば十分なケースが多いです。案件数が増えるほどカレンダーでの可視化は有効になり、スタッフや機材の空き状況と重ねれば手配漏れも防ぎやすくなります。Excelの手作業更新が負担になってきたら導入を検討する段階です。
まとめ
イベントの進行管理(案件ステータス管理)は、「見積中→受注→実施→請求済→完了」という案件のライフサイクルを可視化し、請求漏れ・対応漏れ・二重対応を防ぐ仕組みです。当日の香盤表による進行とは時間軸も目的も異なり、受注前後を含む案件全体を俯瞰する点が特徴でした。
ステータスが見えないと、現場では事故が締め後に発覚し、経営層は受注見込みを把握できなくなります。実装方法はExcel・汎用ツール・専用システムで対応範囲が異なり、案件数と共有人数が増えるほどカレンダーでの可視化やリソースとの重ね合わせが効いてきます。
イベントHUBは案件台帳と案件カレンダーでステータスをチーム共有し、実施から請求書発行までを1本の案件として管理できます。Excelの色分け管理が限界に近づいてきたら、ステータスの一元化から見直してみてください。
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