
イベント制作会社の起業・開業の始め方|立ち上げの流れと管理体制
イベント制作会社の起業は、資金・人脈・許認可(届出)の準備を整えれば、設備投資の少ない少人数体制でも始めやすい業態です。企画力と現場をつなぐ人脈があれば立ち上げのハードルは高くありません。一方で、開業してすぐにつまずきやすいのが「案件・スタッフ・お金」をどう管理するかという足元の運営体制です。
イベント制作の現場は、外部スタッフや機材会社を多数巻き込みながら、見積から手配、実施、請求までを短いサイクルで回します。最初の数件はExcelとメールでも回りますが、受注が安定し始めると属人化や手配漏れ、請求漏れが一気に表面化します。
本記事は、起業・開業の全体像、初受注までの流れ、立ち上げ期に最初から整えておきたい管理体制までを、これから開業する制作会社の視点でまとめた母数記事です。Excelスタートの限界点と次の一手まで具体的に解説します。
イベント制作会社の起業の全体像【結論先出し】
イベント制作会社の起業は、資金・人脈・許認可(届出)の3つの準備を整え、法人または個人事業として開業し、最初の案件を受注して実績を積むのが基本の流れです。
イベント制作・運営そのものに特別な許認可は原則不要なため、参入障壁は比較的低い業態です。日本イベント産業振興協会(JACE)の推計では2024年のイベント産業規模は2兆8,535億円(前年比108.3%・出典jace.or.jp)と成長基調にあり、市場としての追い風もあります。ただし立ち上げ期に管理体制を後回しにすると、受注が増えた途端に業務が破綻します。最初から案件・スタッフ・お金を仕組みで扱う前提で設計することが、成長を利益に変える鍵です。
開業に必要な準備(資金・許認可・人脈)
イベント制作会社の開業準備は、大きく「資金」「許認可・届出」「人脈」の3要素に整理できます。資金は、当面の運転資金(人件費・外注費の立替)と、案件入金までのつなぎ資金を見込んでおく必要があります。イベントは実施後に請求・入金となるため、立替が先行しやすい業態です。
許認可・届出については、イベント制作・運営そのものに特別な免許は原則不要です。ただし企画内容によっては、酒類提供・道路使用・警備・屋外イベントの消防や自治体への届出など、個別の許可が必要になります。人脈は、会場・機材会社・外部スタッフ・キャストなど、現場を支える協力先のネットワークが受注力を左右します。

立ち上げから初受注までの流れ
起業の手続きは、事業計画の作成から始まり、個人事業の開業届または法人設立、屋号・口座・契約書式の準備、そして初受注へと進みます。法人にするか個人事業で始めるかは、取引先の与信要件や資金調達の見通しで判断するのが一般的です。
初受注は、前職のつながりや協力会社からの紹介で得るケースが多く、最初の案件をいかに丁寧に納め、次の紹介につなげるかが立ち上げ期の成否を分けます。受注が決まったら、見積の提示、会場・機材・スタッフの手配、当日の運営、終了後の実績集計と請求という一連の流れを回します。この流れを最初から記録に残しておくと、2件目以降の見積精度と粗利把握が安定します。

立ち上げ期に必要な管理体制
イベント制作会社の立ち上げ期で見落とされがちなのが、最初から整えておくべき管理体制です。起業ノウハウの多くは資金や集客に偏りがちですが、実際に会社の利益を守るのは「案件・スタッフ・お金」を仕組み化できているかどうかです。
ここでは、立ち上げ期に最低限整えたい3軸の管理体制と、Excelで始めた場合に必ず直面する限界点を、次の一手まで含めて整理します。
案件・スタッフ・お金の3軸を最初から整える
イベント制作の管理体制は、次の3軸で考えると抜け漏れが防げます。1つ目は「案件」で、案件台帳と進捗管理により、どの案件がどの段階にあるかを可視化します。2つ目は「スタッフ」で、自社・外部スタッフの一覧と空き状況を管理し、ダブルブッキングや手配漏れを防ぎます。3つ目は「お金」で、見積・請求・案件別粗利を結び付け、案件ごとの儲けを把握します。
少人数のうちは記憶や個人のExcelでも回りますが、3軸を最初からデータで一元管理する前提にしておくと、メンバーが増えても引き継ぎがスムーズです。立ち上げ期に整えるべき管理の全体像は、下のチェックリストで確認できます。案件管理の具体像はイベント制作の案件管理システムとは|見積〜請求を一気通貫で管理する方法【2026年版】もあわせて参考になります。

| 軸 | 立ち上げ期に整える項目 | 放置した場合に起きること |
|---|---|---|
| 案件 | 案件台帳・進捗・カレンダー | どの案件が今どの状態か分からなくなる |
| スタッフ | 自社/外部の一覧・空き状況 | ダブルブッキング・手配漏れ |
| お金 | 見積・請求・案件別粗利 | 締め後にしか儲けが見えない |
Excel管理で始める限界と次の一手
創業直後の少数案件なら、Excelとメールでも管理できます。問題は、受注が安定し始めてから表面化します。担当者ごとにファイルが分散して属人化し、最新版がどれか分からなくなる。スタッフの空き状況が一覧化されず、ダブルブッキングが起きる。粗利は月締めの集計後にしか見えず、赤字案件に気づくのが遅れる、といった限界です。
これらは個別の不注意ではなく、データが1か所に集約されていない構造から生まれます。次の一手は、案件・手配・請求を1つの場所で扱える業務システムへの移行です。月数件を超えて受注が安定してきたタイミングが移行の目安になります。
移行の判断は感覚に頼らず、自社の状態で見極めると迷いません。下は当編集部が立ち上げ期の相談から整理した「Excel卒業」の自己診断目安です。3つ以上当てはまったら移行検討期と考えると分かりやすくなります。
| 自己診断の問い | Excel卒業のサイン |
|---|---|
| 最新ファイルがどれか迷うことがある | 属人化が進行(移行検討) |
| スタッフの空き状況を都度メールで確認している | 手配の限界が近い |
| 案件別の粗利が月締めまで分からない | 利益管理が後手 |
| 月の同時進行案件が数件を超えてきた | 一元管理への移行期 |

スモールスタートの業務基盤づくり
立ち上げ期は、少人数・低コストで業務基盤を整えることが現実的です。高額なERPは立ち上げ期には重く、価格が非公開だと比較もしづらいため、公開価格でスモールスタートできる軽量なシステムが向いています。
ここでは、少人数で始める案件管理の考え方と、成長フェーズに進んだときに関連テーマへどうつなげるかを整理します。
少人数・低コストで始める案件管理(イベントHUBの例)
イベントHUBは、案件を軸に「見積→スタッフ・機材手配→実施→請求→案件別粗利」を1本で管理できる業務システムです。立ち上げ期に向く特徴として、料金が公開されており、月¥2,980/名(税込)〜(6名以降)でスモールスタートできます。初期費用は¥30,000(税込)、14日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)で試せます。
課金の対象が社内の管理シート数のみで、外部スタッフは何名手配しても定額という点も、外部スタッフを多く使うイベント業界の構造に合っています。下表は管理シート6名を想定した費用イメージです(数値はいずれも公開価格に基づく事実)。立ち上げ期は対応範囲の広さよりも、まず公開価格で試せて、案件・手配・請求を1か所で扱えるかを基準に選ぶのが現実的です。
| 項目 | 内容(管理シート6名想定) |
|---|---|
| 月額 | ¥17,880(税込・¥2,980/名×6) |
| 初期費用 | ¥30,000(税込) |
| 無料トライアル | 14日間・クレカ不要 |
| 外部スタッフ | 人数無制限で定額 |
※1〜5名で利用する場合は¥4,980/名(税込)となります。
成長フェーズと市場動向への導線
立ち上げ期を越えて受注が安定してくると、関心は「市場の中で自社をどう伸ばすか」「利益率をどう改善するか」へ移ります。成長フェーズでは、管理手段も個人のExcelから共有ファイル、そして業務システムへと段階的に変わっていきます。下の段階図のように、自社の規模に合わせて管理手段を見直すことが、業務の破綻を防ぐ前提です。
参入する市場の全体像はイベント業界の市場規模と動向2026|2.85兆円市場の構造と課題で、JACE推計の2兆8,535億円という規模感や業界構造とあわせて確認できます。立ち上げ期に管理基盤を整えておけば、成長フェーズで利益率改善や規模拡大に取り組む際の土台になります。

よくある質問
Q. イベント制作会社の起業に許認可は必要ですか?
A. イベント制作・運営そのものに特別な許認可は原則不要ですが、酒類提供や道路使用、警備、屋外イベントの消防・自治体届出など、企画内容に応じて個別の許可・届出が必要になります。法人設立の手続きや、契約・請求に備えた経理体制の準備とあわせて、扱う案件の種類ごとに確認しておくと安心です。
Q. 立ち上げ期から整えておくべき管理体制は何ですか?
A. 案件(台帳・進捗)、スタッフ(自社・外部の手配と空き状況)、お金(見積・請求・案件別粗利)の3軸を最初から仕組み化しておくことが重要です。少人数のうちはExcelでも回りますが、案件数が増えると属人化や手配漏れ、請求漏れが一気に表面化するため、早期にデータで一元管理する前提で設計すると後の移行が楽になります。
Q. 最初はExcel管理でも問題ないですか?
A. 創業直後の少数案件ならExcelでも管理できますが、担当者ごとにファイルが分散して属人化し、スタッフのダブルブッキングや締め後にしか粗利が見えない問題が早期に発生します。月数件を超えて受注が安定してきたら、案件・手配・請求を1か所で扱える業務システムへの移行を検討するのが現実的です。
Q. 立ち上げ期に向いている業務システムの選び方は?
A. 初期費用が高額なERPは立ち上げ期には重く、価格が非公開だと比較も困難です。公開価格でスモールスタートでき、無料トライアルで試せる軽量なシステムが向いています。外部スタッフを多く使う業界構造を踏まえ、課金が社内アカウント数のみで外部スタッフは定額になるかどうかも選定の判断軸になります。
まとめ
イベント制作会社の起業は、資金・許認可(届出)・人脈の準備を整え、開業後に初受注で実績を積むのが基本の流れです。参入障壁は比較的低く、市場も成長基調にありますが、立ち上げ期に管理体制を後回しにすると、受注が増えた途端に属人化や手配漏れ、請求漏れで業務が破綻します。
鍵は、案件・スタッフ・お金の3軸を最初から仕組み化することです。少人数のうちはExcelでも回りますが、月数件を超えたら公開価格でスモールスタートできる業務システムへの移行を検討すると、成長をそのまま利益に変える土台ができます。
まずは無料で製品を体験してください
案件管理・見積からスタッフ・機材手配、請求・粗利管理までこれ1つで。
月額2,980円から。


